7/11(晴れのち雷雨)
本日も行って参りました。相変わらず時差ボケがあり、体も重たいものの、昨日よりはマシになってきました。
本日観たのはこの映画です。久しぶりに映画を観て目頭が熱くなりました。終演後に自然と沸き起こった拍手がこの映画の充実ぶりを物語っていたと思います。
例によってなんの予備知識もなく観に行ったのですが、のっけから御大ブルーススプリングスティーンが登場し、おおっΣ(゚∀゚)となりました。続けてルーリードの超名曲「ワイルドサイドを歩け」が大音量で流れてきて心は鷲掴みに。あの独特の女性コーラスがこの映画の趣旨を象徴しているな、と感じました。
目まぐるしいテンポで話しが進んでいきますが、そう違和感を感じる事なく最後まで引き込まれました。公開されたのが2013年だから、もう8年も前の映画だったんですね。
この映画の原題は「20 Feet from Stardom」というものです。バックコーラスが位置する場所からセンターまでの距離が20フィート(約6メートル)。近いようでいて、そこには容易に辿り着く事の出来ない、厳然とした見えない壁があることを示唆しています。
センターに立つには「強い心がなければならない」とか「才能や実力だけでなく、運のようなものも必要」だと説くシーンが印象的でした。業界で成功するには一筋縄ではいかない事が推察されます。
時にプロデューサーにいいように利用されたり、まっとうに活動を続けてアルバムをリリースしても売れなかったり、徐々に情熱を失い音楽業界から足を洗って別の人生を送ったり...。これはもう自分の人生に置き換えて考えざるを得ない物語であると思いました。
それにしても登場するシンガーたちの歌の上手さときたら生半可なものではありません。何故そこまでレベルが高いのか?共通するバックボーンとしては、家族の誰かが教会でゴスペルを歌っていたことなどが挙げられます。生活に根ざした部分で音楽に親しみ溶け込んでいるわけですから、アメリカの音楽界のレベルが高く、層が厚くなるのもすんなり理解できました。
この映画を観て、また聴いてみたいミュージシャンが増えました。同時にもっと自分の人生をしっかり生きなければ、という思いも沸々と湧いてくるのを実感しています。確かに若い頃に思い描いていたような人生を送っていません。家と職場の往復が大半を占める生活に慣れきってしまった部分もあると思います。
人生の後半戦を迎え、これから自分はどうしたいのか、どう生きていきたいのか。コロナ禍を経た事も影響していますが、少しでも後悔のないような生き方をしたいと思わせてくれる実に良いドキュメンタリー映画でした。