7/12(月)晴れのち雨
本日もPeter Barakanʼs Music Film Festivalに行ってきました。
4度目の緊急事態宣言が発令されている中ですけども...そんなの関係ないっすねw
オリンピックはOKでも映画はNGなんてあり得ませんからね。
一体どんだけ観に行ってんねん!って声が聞こえてきそうですが、今日は仕事が休みでした。みけもふは昼夜交代勤務を行っているので休みが不定期なんです。この日を活用しないわけにはいきません。
昼夜交代勤務のデメリットは身体的にキツい事ですが、不規則な勤務ゆえのメリットとしては今日のように平日休みがある事です。おかげで今回の映画祭にも顔を出す事が出来ました。
まあ、それも今日までで終わりです。この映画祭自体は7/15(木)まで開催されていますが、明日から勤務シフトが昼に戻ってしまうので一足早く終了です。
で、本日観たのは以下の映画です。
潮の匂いだとか、鳥のさえずりや、風の音、波の音。それら現地の空気がそのままパックされたような映画でした。大画面で観れて良かった。
口承で受け継がれる宮古島のオバアたちの歌。それらが生まれた背景には過酷な歴史があります。薩摩による琉球侵攻が行われた結果、宮古島や八重山、先島諸島の住民達から税の取り立てが始まります。あの悪名高い人頭税です。
映画の中で語られたエピソードでは、役人の子が泣き出したら総出であやすのに対し、下男の子が泣き出したら叩いたり脅したりしていたという...。露骨な依怙贔屓ですね。なんだか私が職場で受けた出来事にも通じる部分があって身につまされました。何世紀経っても人の本質ってそう簡単には変わらない。
そんな理不尽な生活を強いられる中で紡ぎ出されてきた歌には、アメリカにおけるブルースにも通じる部分があり、虐げられた人々が発する音にはどこか共通するものが宿っているようにも感じました。
今回の映画の上映後、例によってピーターバラカンさんのトークショーがありました。ゲストは今回の映画の原案者であると同時に、出演もされていた久保田真琴さん。正直存じ上げませんでしたが、この方もピーターバラカンさんに負けず劣らず音楽に対し造詣の深いれっきとしたミュージシャンでした。
撮影時のエピソードでは、本来は神事であるため撮影はおろか人前で歌うことさえ憚られるタブーなものであったこと。それが撮影できたのは宮古島の人々が抱いている危機感があったという事です。このままでは儀式が廃れてしまうという危機感から残しておきたい、という気持ちが根底にあったのが決め手になったそうです。
変わった話しでは宮古島出身の人は成功している人が多い、という事でした。いわゆるやり手な方が多いそうです。その要因としては、人頭税時代にその一族で一番強い家族がより税収の見込める外部の土地を開拓するよう、役人から指示されていた影響ではないかとの事。残された家族はどちらかというと大人しい人達だったそうです。
そういえば沖縄には一度も行った事がありませんが、今回の映画を観て猛烈に行きたくなりました。一言で「日本」というと単一なように思いがちですが、実際はそうではなく、この国の多様性を垣間見る思いでした。